オウンバンクは本当に存在しているのか?
よく、ネットでオウンバンクが嘘だとか詐欺だとか言っている方がいます。
そこで、まず、フィリピンの正式な銀行としてPDIC(PHILIPPINE DEPOSIT INSURANCE CORPORATION)のHPを見ることで確認することができます。見つけ方を以下に記載します。
PDIC(PHILIPPINE DEPOSIT INSURANCE CORPORATION)
PDICとは?
1. Risk MitigationのList of Banksというページを開きます。
2. Bank Directories の中にあるRural Banks(農村銀行)を開きます。
3. これでフィリピンのRural Banksの一覧が出てきます。現在(2018/08/28)、8ページ目の181番に「Own Bank, The Rural Bank of Cavite Citi, Inc.」という表記が出てきます。
ですので、PDICに正式登録された銀行であることが証明できます。
SNSで写真を挙げて、こんな建物が銀行なわけがないといった内容が見受けられますが、Rural Banks(農村銀行)という名の通り、地方にあるような地域密着に特化した小さな銀行ですので、日本にあるようなしっかりとした銀行ではありません。
また、今回証明したとおり、オウンバンクは実在しています。
補足として、PDICのHPのアドレスはpdic.gov.phですが、govはgovernment、phはPhilippinesという意味を持っており、政府しか使えないアドレスですので、偽のWEBサイトということもありえませんのご安心ください。
オウンバンクはなぜこれほど高利回りなのか?
オウンバンクの金利が8.5%と高利回りなのは、フィリピンでは一般的なのでしょうか?
実はそうではありません。フィリピンの主要な銀行2つ(BDO、Metrobank)を見ても分かるのですが、
BDO:ドル建て1年定期預金 最高1.25%
Metrobank:ドル建て1年定期預金 最高1.625%
日本に比べると高いですがオウンバンクほど高利回りではありません。
では、なぜここまで高利回りの金利を提供できるでしょうか。
実はその理由は銀行が行っているお金の稼ぎ方に隠されています。
銀行は金貸しという仕事でお金を稼いでいます。個人や企業など様々な人にお金を貸すことで、金利でお金をとっており、例えば、日本の住宅ローンは35年ローンで金利が約1.5%です。1000万円借りたとして、35年後のトータル完済額は1,285万円とかなり良心的な金利です。これがアコムやアイフルなどの消費者金融でお金を借りた場合、年間約15%~18%という高い金利を支払わなければいけないのです。
例)
借入金額:1,000万円
金利:0.009%
借入期間:35年 (420回払)
返済総額:約 10,015,585円
支払利息総額:約 15,585円
では、フィリピンはどうでしょうか?
先ほどは挙げていませんでしたが、主要銀行の一つであるBPIの比較的金利の安い住宅ローンで以下の表となります。
フィリピンの住宅ローンの金利
住宅ローン | |
---|---|
1年 | 5.25% |
2年 | 6.00% |
3年 | 6.25% |
4~5年 | 6.88% |
6~10年 | 8.50% |
11~15年 | 9.50% |
16~20年 | 11.50% |
表(参考:BPI Housing Loan Rates )
見てわかる通り比較的金利の安いはずである住宅ローンでも5.25%~11.50%というとても高い金利がついており、もちろん個人ローンは考えられないくらい高くなります。
では、BDOでの個人ローンの金利見てみましょう。
このように担保があって17% 前後、担保が無ければ41% 前後という金利でお金を返さなければいけません。しかも、これはフィリピン大手銀行のとても厳しい審査をクリアしたとしてもこの金利なのです、日本人からすると考えられませんよね。
ちなみに、返済が遅れた場合は延滞手数料として月5% 程度の金利を上乗せされます。
この金利で借りる人がいるわけがないと思うかもしれませんが、フィリピン人にとっての常識がこの金利なのです。これが当たり前となっているので、問題が起こらないのです。
オウンバンクからお金を借りた場合の金利
オウンバンクからお金を借りた場合の金利はもっと高いです。
金利がどれだけ高いかといいますと、現在月に約2%~2.5%の金利です。
1年にすると、24%~30%の金利となっています。大手銀行が担保ありで年間17%ということを考えるとかなり高いです。しかしこれでフィリピンの人達はお金を借りています。
なぜなら、大手銀行のキャッシュアウトまでの時間がとても長く、最長で6カ月ほどかかるからです。緊急でお金が必要な人がお金を借りにくるのに、6カ月もの期間がかかってしまってはどうしようもありません。ですので、この期間を逆手にとったのがオウンバンクです。
金利はとても高いですが、キャッシュアウトまでの時間を非常に短くしたのです。
もちろん、お金を貸すだけでは逃げられる可能性がとても高いので、担保にしたものの半分の価値を貸し出せる金額としています。そして、24~30%という金利の中から8.5%を私たちに還元しているので、納得のできる仕組みです。
個人ローン(担保なし)
個人ローン(担保なし) | |
---|---|
6年 | 40.05% |
12年 | 41.71% |
18年 | 41.51% |
24年 | 40.89% |
個人ローン(担保あり)
個人ローン(担保あり) | |
---|---|
6年 | 17.08% |
12年 | 17.07% |
18年 | 17.06% |
24年 | 17.06% |
表(参考:BDO personal Loan)
オウンバンクを選ぶ理由
〇通常の海外銀行では、
・外国人の口座開設が認められていない
・現地の言葉で話す必要がある
・国外から引き出しができない
といった事があるからです。
つまり、日本人にとって満足に口座開設ができる海外銀行はほとんどありません。
しかし、オウンバンクを選ぶ理由として
・外貨がペイオフの対象になっている
・日本国内から口座開設が可能
・送金ができる
・日本にあるATMでも引き出しが可能
といった4点が主な理由です。
つまり、「現地に行かなくても口座を開設ができ、高利回りで、送金・引き出しも国内から可能で、ペイオフの対象になっているので預金が無くなる心配がない」のでオウンバンクをオススメしているのです。
オウンバンク金利の詳細
日本より圧倒的に金利が高いオウンバンクですが、日本と同じように預金額が高いほど金利も高くなりますし、定期預金の期間が長いほど金利は高くなります。では、どれくらい高くなるのかを以下の表にまとめてみました。8.5%~11.5%、つまり最大で3%の差があります。
預金額 | 定期預金期間 | 金利 |
---|---|---|
0~299万円 | 1年 | 8.5% |
300~1199万円~ | 1年 | 8.9% |
1200万円~ | 1年 | 9.5% |
0~299万円 | 3年 | 9.3% |
300~1199万円~ | 3年 | 9.8% |
1200万円~ | 3年 | 10.5% |
0~299万円 | 5年 | 10.1% |
300~1199万円~ | 5年 | 10.7% |
1200万円~ | 5年 | 11.5% |
では、この金利が日本と比較してみましょう。
例えば、日本の中でも「定期預金のための銀行」として評判なオリックス銀行では、0.25%が現在の1年定期預金の金利です(2018/08/28)
100万円を1年定期預金したとして、2500円が利息になります。また、そこから税金として20%引かれますので500円が引かれ、
残った2000円が1年間での利息となります。ではオウンバンクで計算してみましょう。
金利は表にあるように8.5%です。100万円を1年定期預金したとして、85,000円が利息になります。
また、そこから税金として20%引かれますので17,000円が引かれ、残った68,000円が1年間での利息となります。(実際にはUSドルです)
どれだけの差があるか分かりましたでしょうか?
日本での預金が悪いとは言いませんが、色々な選択肢があることを今一度考えたほうがいいかもしれません。
オウンバンクのペイオフについて
日本のペイオフ制度として、1000万円+利子が預金保険機構から保証されています。
一方、フィリピンでは50万ペソ(約110万円)がPDIC(PHILIPPINE DEPOSIT INSURANCE CORPORATION)から保証されています。
日本より保証金額がとても低いですが、これには理由があり、有名な話ですがフィリピン人は貯金をほとんどしないのでこの金額で十分なのです。ただ、日本人としては110万円以上を預金する際に少し不安に思うかもしれません。そこでペイオフでの保証金額を共同名義によって上げる方法があります。
夫婦二人であれば最大150万ペソ(約330万円)
子供が一人いる計3人であれば最大300万ペソ(約660万円)
と上げることができます。ただし、書類の手間がありますのでご注意を!
また、フィリピン人が貯金をしない理由をごぞんじでしょうか?
ここ数十年はフィリピンではインフレが起きていますので、インフレということは相対的にお金の価値が下がります。ですので、銀行に預金をしておけばおくほどお金の価値が下がり続けますし、ましてや1年間お金を下ろせない定期預金をするメリットがありません。
また、フィリピンの給料はそのような理由から日本での月に1回といった形式ではなく、16日を超えない期間で給料を支払うことが義務付けられているため、おおよそ2週間に1回となっております。貯金しない理由というのは、貯金をしたら100%損をする国だからです。
では、フィリピンの銀行がなぜ日本人をターゲットとした定期預金を作ったのかといいますと、オウンバンクのオーナーが日本人だからです。そのため、日本人のための充実したサービスが揃っています。
話が逸れましたが、ペイオフの金額を上げることは可能性ですので、共同名義を上手く活用しましょう!