SWIFTコードについて
SWIFTコードをご存知ですか?OWNBANKにはこのSWIFTコードが存在しません。今回は、このSWIFTコードとはどんな意味があるのかということについて解説してみようと思います。
SWIFTコードとは
金融機関識別コード、またの名をSWIFTコードというのをご存知でしょうか?
こちらは金融機関を識別するための世界共通のコードです。このSWIFTコードを発行しているのは国際標準化機構(ISO)という機構で、
一度は聞いたことのある名前かと思います。
このISOが認めるものは世界中の人が利用するため、世界で同じ標準をもつ必要があると認定したもののみです。
逆を言えば、世界標準ではなく、国内や知っている人さえいればいいのであれば、わざわざISOに認められる必要はありません。
また、ISOに認定されるまでにかかる費用は最低規模の審査でも50~100万くらい、維持費でも数十万ほど必要となってきます。審査をクリアするためにコンサルなどを呼ぶと、より費用がかかってきます。
なぜ、SWIFTコードの話をしたかと言いますと、このコードが発行されていない銀行が正式な銀行ではないのでは?という声を聞くので、そうではないということを説明したかったのです。
そして、意味もないのに、世界的に有名な銀行でもないにも関わらず、ISOに認められるため、わざわざこの金額をかける価値がはたして、地方にある小さな農村銀行にあるのかどうかを考えてみれば、価値がないことがお分かりかと思います。
ちなみに、日本でも探してみればSWIFTコードを持っていない銀行はたくさんあります。
例えば、ネット銀行によくみられます。楽天銀行やジャパンネット銀行、イオン銀行、セブン銀行などもSWIFTコードは持っていませんし、地方銀行でも長崎銀行、福島銀行、仙台銀行などなど、持っていない銀行は書ききれないほどあります。
SWIFTコードとは、「SWIFTアドレス」や「BICコード」とも言われ、SWIFT(国際銀行間金融通信協会)が提供する国際送金システム上で相手方の銀行を特定するために用いられる金融機関識別コードのことを指します。
これはISO(国際標準化機構)によって承認された金融機関識別コードの標準書式(ISO9362)で、世界各地の銀行を特定するために定められていて、現在8桁、もしくは11桁のアルファベットと数字でできています。
一般的に、SWIFTコードは銀行間の国際送金などにおいて使用され、国際送金の送金側はSWIFTコードを使用することで、送金先金融機関の銀国名や支店名などの情報を省略して特定することができるので、スピーディーな入金が可能になります。
また、アメリカの場合はSWIFTコードではなく代わりにABAコードというものがあり、アメリカの金融機関への送金はこれを使う場合が多いようです。
ISO(国際標準化機構)とは
そもそもISOとは、スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関International Organization for Standardizationの略で、日本訳で国際標準化機構といいます。この機関の主な役割は、国際規格を制定することで、国際取引を円滑に行えるようにすることです。様々なサービスや製品にたいしても基準を定めており、身近なところで言えば非常口のマーク(ISO7010)やカードのサイズ(ISO7810)、ねじの規格(ISO68)などが挙げられます。
これらISOの規格には色々なものがあり、ISO14001などもよく耳にするのではないでしょうか。これは、環境運営に関する国際基準です。SWIFTコードとは少し違う質のものになりますが、つまりは、ISOは国際取引を円滑にするために基準を定めている機関、ということです。
ISOが定める基準には、法的義務などはありません。それぞれの組織や企業が、ISOを取り入れた方が有利と思えば取り入れ、そうでない場合には取り入れる必要はないのです。よって次にのべる国内の金融機関についてもSWIFTコードを持っていない場合もあります。
日本の金融機関の場合
実際にどんなSWIFTコードがあるのか見てみましょう。日本のメガバンクは以下のようになっています。
三菱UFJ銀行・・・BOTKJPJT
みずほ銀行・・・MHCBJPJT
三井住友銀行・・・SMBCJPJT
同じくして、他の銀行にも上記のようなSWIFTコードが存在します。しかし、ネットバンクのような新形態の銀行や地域密着型の地方銀行などにはSWIFTコードがありません。
ジャパネット銀行、セブン銀行、イオン銀行、などは現時点でSWIFTコードがない銀行になります。他にも、富山銀行、静岡中央銀行、長崎銀行、神奈川銀行、島根銀行、福岡中央銀行、りそな信託銀行・・・などの地方銀行もSWIFTコードを持ちません。
セブン銀行は今や日本でも代表的なネットバンクの一つであり、誰もが知る大手企業グループ「セブン&アイ・ホールディングス」の所有する銀行です。SWIFTコードは決して信用の証や、なくてはいけないものではないことがわかります。
SWIFTコードと信用性
SWIFTコードと信頼性が無関係であることを証明する参考データの一つに日経が発表する銀行顧客満足度総合ランキングを紹介してみようと思います。(第14回日経金融機関ランキングより)
※みずほ信託銀行HPより閲覧できます。
https://www.mizuho-tb.co.jp/company/topics/ranking.html
2018年2月4日付 日本経済新聞および日経ヴェリスタの掲載記事
顧客満足度総合ランキング
1位 みずほ信託銀行
2位 尼崎信用金庫
3位 大垣共立銀行
4位 埼玉りそな銀行
5位 ソニー銀行
6位 東京スター銀行
7位 新生銀行
8位 住信SBIネット銀行
9位 セブン銀行
10位 イオン銀行 京都銀行
客満足度総合ランキングなので、「信頼性」という言葉はありませんが、日経が国内でもっとも信頼度の高いメディアの一つであることは言うまでもありません。無数にある金融機関のなかでベスト10にセブン銀行とイオン銀行が入っているということが、時代の変化を感じさせてくれますね。
OWN BANKがSWIFTコードを持たない理由
OWN BANKは、フィリピンの地方銀行にあたる銀行になります。SWIFTコードがないことで信頼性において不安に感じる方も、もしかしたらいるかもしれませんが、これまでの内容で信頼性によるものではないことをご理解いただけたと思います。OWN BANKがSWIFTコードを持たない理由は、「特に必要性がないから」でしょう。国際送金を受けることがない銀行にとっては重要なものではなく、国際基準にフォーカスする必要性がありません。セブン銀行やイオン銀行、富山銀行、静岡中央銀行らも同じことが言えます。
いかがでしたでしょうか。あまり耳慣れない方もいるかもしれませんが、SWIFTコードは国際送金する場合には便利なので、これを機会に知っておいていただくと役に立つときもくるかもしれません。
このように、国内でもSWIFTコードをもってない銀行があることから、正式な銀行かどうかの判断をSWIFTコードで考えるのはよくありません。自分が持つ情報が本当に正しいのかどうかを考え、ネットでの情報の取捨選択を正確にしましょう!
以上、SWIFTコードについてでした。